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クール・オーストラリア戦略

先月、久々にシドニーにやってまいりました。
今回の一番の目的は、7月25日から28日の3日間、コフスハーバーで開催された、豪日協会連合会が開催した『Fourth Conference of the Federation of Australia-Japan Societies』への参加です。
このカンファレンスは、年毎に日本とオーストラリアで開催されており、昨年は日本の浜松市で開催されました。今年はオーストラリアでの開催ということで、在豪日本大使館の特命大使をはじめ、オーストラリア全国の豪日協会の理事の方々や、日豪に関わりの深い大学の教授などが参加されていました。
日本からは、東京と関西の日豪協会の理事の方々と私の5名が参加しました。
今回、せっかくの機会ですので、シドニーでは他業種に渡り、沢山の方のお話を伺いたいと思い、毎日、たくさんの方とお会いして、貴重なお話をお聞きすることができました。
日豪というマーケットに対して、在豪企業の経営者のみなさまが感じている、さまざまな側面を知ることができました。

コフスハーバーのカンファレンスでは、豪日協会の運営者のみなさんが、日豪交流という視点から、『日本からのインバウンドを増やすには』、『オーストラリア在住の日本人との交流を活発にするには』、『在オーストラリアの日本関係団体との連携を活発にするには』というような議論がされており、私も以下の視点でプレゼンをさせていただきました。

・日本からの観光者や留学生を増やすには
・オーストラリア滞在の日本人との連携を強化するには
・ワーキングホリデーにオーストラリアを選ぶ理由を作る
・姉妹都市、姉妹校の連携
・日本のメディアの有効活用


このカンファレンスを通して、オーストラリア各地で豪日協会を運営するオーストラリア人のみなさんが望んでいる日豪交流の理想像を垣間見ることができて、たいへん貴重な時間を彼らと共有することが出来ました。
そして、今回のカンファレンスとシドニーでの企業訪問を通して、『日本』と『オーストラリア』というキーワードに関わるみなさんから、あらゆる側面から現状のマーケットについてリアルな話を伺うことができ、私自身のオーストラリアとの関わりについて、あらためて強く考えさせられる貴重な機会になりました。


日本のデフレとオーストラリアのインフレに伴い、日本からオーストラリアを訪れる観光客や留学生が減少し、明るいニュースばかりではないと思いますが、私自身も今回の数日間を通して、色々な側面からマーケティングプランを考えてみるきっかけが出来ました。



みなさんは、『クール・ブリタニア』という言葉をご存知でしょうか?
よっぽどマーケティングやPRに興味がある人でなければ、あまり聞きなれない言葉だと思います。

簡単にいうと、トニー・ブレア元首相が取り入れた『国家ブランディング戦略』で、サッチャー政権時代に根付いてしまった『暗いイギリス』というイメージを払拭するために、『大英帝国』という過去の栄光を捨てて、『クールでクリエイティブな国』というイメージを作ろうという戦略です。

実際には、ブレア元首相のブレーンである、マーク・レナードが90年代後半に仕掛けた戦略なのですが、この政策には、オアシスのノエル・ギャラガーやポール・スミス、リチャード・ブランソンなど、当時のイギリスにおける各界のリーダーたちが結集して、イギリスのブランドPRに取り組んだのです。

その当時、97年くらいからの数年を思い出してみていただければわかりやすいと思いますが、確かにその当時のイギリスといえば、音楽や映画をはじめ、企業やファッションなど、あらゆる側面で、目立つ人が多い時代でした。
その背景にクール・ブリタニア戦略があると考えると興味深いですよね。


特に私が注目したいのは、イギリスのイメージを一新するというブレア元首相の政策ももちろんですが、それ以上に、イギリスに関わる様々な人たちが手を取り合って、イギリスという国のPRとブランディングに取り組み、『クール・ブリタニア』ムーブメントを巻き起こしたということです。


もちろん、この政策は、イギリス国家が主体となって全世界をターゲットに行ったので、一個人や一企業が行えるようなものではないのですが、この『クール・ブリタニア』をオーストラリアに当てはめた場合どうでしょう?


私は、対日本マーケットをターゲットとして、オーストラリア・ブランドを作り上げるのであれば、むしろ政府主体のプロジェクトよりも、かつてノエル・ギャラガーやリチャード・ブランソンが行ったように、オーストラリアに関わるあらゆる産業の人たちが手を取り合って、オーストラリア・ブランドを盛り上げていくことは十分に可能なのではないかと思っています。


今回、お会いした何名かの方にはお話しましたが、私には将来『Big Day Outを日本に持ってくる』という大それた夢があります(笑)

実はあまり気づいている人は少ないですが、『Queen』『Guns N' Roses』『Bon Jovi』をはじめ、日本での大ブレイクをきっかけに、世界的大成功を収めたバンドが沢山存在します。
そのようなジンクスから、海外で活躍するミュージシャンの間では、武道館でライブをすることが大きな目標の一つとなっているのです。
ご存知のとおり、現在の日本では、武道館よりも東京ドームの方が偉大な感じがするのですが、海外のアーティストの間では今でも『武道館』なのは、このような経緯があるためなのです。

オーストラリアにも、将来性のある一流バンドがいくつもありますが、多くの場合、オーストラリアで成功したバンドは、そのままアメリカ進出してしまい、日本に来たときにはオーストラリアのバンドというよりも、アメリカのバンドというイメージがついてしまっているような気がします。
私は常々、残念だと思うのですが、彼らは『オーストラリア出身のバンド』ではなくて、『オーストラリアのバンド』として日本に来たほうが日本では成功しやすいのではないでしょうか。

音楽ひとつをとっても、オーストラリアをPRできる要素は大いにあり得ると思っています。


ちょっと話がそれてしまいましたが、『クール・ブリタニア』がそうだったように、様々な側面から、オーストラリアの魅力をPRすることで、日本におけるオーストラリアの他国との差別化が実現するのではないかと信じています。

私は、オーストラリアでの留学経験者やワーホリ経験者の方と出会う機会が多いのですが、彼らの大半は『オーストラリアに帰りたい』『オーストラリアに戻りたい』という言葉を口にします。

『またオーストラリアに行きたい』ではなくて『オーストラリアに帰りたい』です。
これは、他の国の経験者にはない、オーストラリア独自の特性のような気がします。

そんな『帰りたい国』をみんなで盛り上げられないはずがありません(笑)


私が講演の中でお話しする『たとえ話』があります。
それは、砂漠の中の一軒のレストランがラスベガスになりうる可能性を持っているという話です。

たとえば、国道沿いの無店舗地帯にレストランが出来たとしましょう。
そのレストランにある程度お客さんが入るようになると、近くに他のレストランが出来ます。
向かいに立地するスーパーがお互いに安売り合戦をして、共倒れになってしまうというのを目にする機会がありますが、競合が参入するのは必ずしも悪い影響ばかりではなく、チャンスになる可能性も大いにあり得ると思います。

オーストラリアにもチャイナタウンがありますが、中華を食べたくなったら、とりあえずチャイナタウンに行ってみようという発想になりますよね。それと同じことだと思います。

日本でも、ラーメン店の激戦地域や、焼肉店が沢山並ぶ国道などありますが、周りに同業がいた場合に、どのような戦略を立てるかが、その地域の成功の分かれ道です。

私は、地域活性化のプロジェクトに関わる機会が多いですが、色々な地域の商店街を見ていると、その差が歴然としています。
小さな商店街でも、取り組み方次第でラスベガスになれるのです。


もちろんラスベガスは、一軒のレストランから始まったわけではなく、フーバーダムの建設やレジャー施設の建設などがきっかけなのですが、砂漠のレストランというたとえ話としては面白いのではないでしょうか。


オーストラリアを愛する人たちが集まって『クール・オーストラリア』をやってみたら面白いと思いませんか?(笑)



企画に興味をお持ちの方や、ボランティアでお手伝いいただける方がいらっしゃれば、いつでも連絡してくださいね。

もし『クール・オーストラリア戦略』に興味を持ってもらえそうな方がまわりにいらっしゃれば、『今月のチアーズ読んだ??』って聞いてみてくださいね(笑)

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