Archive for April 2008

『いいところどり』の法則

広告会社にとって『クライアントが考えているプランの有効性』よりも『クライアントが考えているプランを忠実に実現すること』が重要です

PR会社にとっては『クライアントが露出したいサービスや製品を露出すること』が重要です。

広告会社もPR会社も、クライアントの広告予算を使って仕事をしますので、クライアントが持っている要望やプラン通りに仕事をする事が彼らの任務なのです。



一方、ブランディング会社はどうかというと、

クライアント
がブランディング会社に求めるのは『自分達のプランや戦略を実現
してもらう事』ではありません。

また、『サービスや製品を露出すること』でもありません。


もちろん、プロジェクトの一定期間をみると、それらの事を求められるケースもあるかもしれませんが、ブランディングとは『長期戦略における価値の実現』ですので、一時的に『サービスや製品』が露出したとしても、長期的に考えると意味がないという事もありえるのです。



例えば芸能人を例に取ると分かりやすいのですが、

昨年まで毎日テレビに出ていた芸能人が、今年になって週に1回しかテレビに出なくなると、一気に売れなくなった感が出てしまいますよね。

実際には、テレビよりも舞台に出る事が多くなっていたり、映画の撮影が入っていたり、色々な状況があるのかもしれませんが、実際に視聴者が持つ印象というのは、そのような単純な印象なのです。


ですので、ブランディングをメインに行うコンサルティング会社は、『PR』『集客』『広告』などの『マーケティング戦略全般』を、その時々のタイミングで使い分けて、良いところだけを生かした戦略を立てながら、長期的に企業価値や商品価値を高める事を目指すのです。




Project yoshiでは、この『良いところ取りの法則』に従ってブランディングを行っています。

広告とPRの違い

広告とPRの明確な違いは、事実か否かの違いです。

CMを例にとると分かりやすいのですが、


例えば車のCMで、売れっ子の芸能人が家族と一緒にファミリーカーでお出かけする映像が流れたとします。


しかし、その芸能人が実生活において、その車に乗っているとは限りません。

また、場合によっては、CMに出演している家族も実際の家族では無い場合が多いです。


最近では、CMをより現実に近づけるために、実際の家族も出演しているケースはありますが、それもイメージ戦略の一つの手法なのです。



一方、PRにおいては、事実を重要視します。


なぜなら、PRの目的はメディア露出であり、それを取り上げる報道機関や出版社にとっては、記事やニュースの信憑性が彼らの命だからです。

PRの本質は、企業や特定の人物が、自らの情報発信ではなく、第三者や第三機関から情報をメディアに取り上げてもらう事なので、事実である事が前提なのです。


では、現時点で事実が無いものについてはPRできないのか?というと、答えはNoです。


もし、PRのタイミングで、製品が開発段階だったり、実績がなかった場合には、その実績を作るのもPRの役目です。


そして、どのような実績が、多くのメディアに取り上げられ、実際に消費者の興味や関心を惹き付ける事が出来るのかを調査した上で、その事実を作るのが、PR会社の役目なのです。

ブランディング思考が成功への近道

前回、前々回と、個性について触れてきました。
私の仕事は、ブランディングという仕事なのですが、ブランディングって何ですか?と聞かれる事があります。
簡単に言うと個性を生かして強みを引き出す事なのだと思うのですが、ブランディングの解釈は、ブランディングに関わる人によっても、それぞれ異なります。

私は、ブランディングとは『ロングターム・マーケティング』であり、『価値を高めるための戦略』だと思っています。


色々な方とお話していると、売ることをマーケティングだと誤解している人がいますが、セールスとマーケティングは似て非なるものです。

例えば、保険の外交員の仕事を思い浮かべると分かりやすいです。

私の周りにも外交員の仕事をしている方が沢山いますが、両極端なんですよね。
ノルマをこなすためにいつも必死な人と、あまり気合を入れないでもお客さんの方から声をかけてくれる人がいます。

あなたの周りにもいませんか?

つまり、色々な家や会社を訪ねて、保険の営業を行うのがセールス。
どうせ同じプランなら、この人に説明してもらいたいなと思って、お客さんの方からコンタクトしてくる仕組みを作るのがマーケティングです。


では、ロングタームのマーケティング(ブランディング)というのはどういう事なのかというと、単純に集客を継続する事ではありません。
人々が、その会社や商品、サービスなどを『継続して必要としてくれること』なのだと思います。

更に、『継続して必要としてくれること』という中には、以下の要素が含まれる必要があります。

・ 1円でも高く買いたい
・ 並んでも買いたい
・ ここで買いたい(または、これを買いたい)

これが、ブランディングの3大要素です。

この3大要素が重要であり、そのためにどのように戦略だてるかがブランディングなのです。

では、何故ロングタームなのかというと、先ほどの3大要素を短期的に確立する事が、逆にブランドの足を引っ張るというケースもあるからです。

そして、多くの経営者が陥りやすい落とし穴として、『短期集客の落とし穴』『価格破壊の落とし穴』があります。


例えば、シドニーで英会話教室のビジネスを始めた人がいたとしましょう。

おそらく多くの経営者の方が、短期的な売り上げを求めるために、集客に力を入れようと考えるでしょう。

それが『短期集客の落とし穴』です。

さらに、この落とし穴によって、二次災害が起こるケースがほとんどです。

どういう事かというと、経営者の心理としては『最初に集まった人数をキープしたい』もしくは『前回を上回る集客をしたい』と考えます。


そうなってしまうと、毎回、あらゆる方法で集客を試みて、そのために沢山の労力を消費します。


そして、多くの場合が、キャンペーンと称して価格を下げたり、定価自体を下げてしまったりするのです。


以下に、『短期集客の落とし穴』『価格破壊の落とし穴』のケーススタディーをまとめますね。


これは、経営者というよりも、特に営業の人に陥りやすい落とし穴なのですが、ブランディング的には、価格を下げる事は自らの首を絞めているのと同じ事です。

もし、あなたの商品やサービスをブランディングしたいのであれば、どんな事があっても価格を下げるべきではありません。


例えば、集客に力を入れるために、定価100ドルのコースを10ドルのキャンペーンで1000人に販売したとしましょう。
売り上げは1万ドルですよね。


もし値引きをしないで定価で販売した場合、100ドルのコースを100人に販売すると、売り上げは同じく1万ドルです。

小学生でも分かる計算ですね(笑)

もしかすると、集客的には、100ドルのコースを100人に販売するよりも、10ドルのコースを1000人に販売した方が簡単かもしれません。

しかし、ここに落とし穴があります。

同じクオリティーのサービスを提供する前提で、ちょっと想像してみていただきたいのですが、1000人の人に提供するのと、100人の人に提供するのと、どちらが簡単だと思いますか?

もちろん100人ですよね。

1000人にサービスを提供する場合、いくら価格が安いとは言っても、やはり集客にもかなりの労力を必要としますし、また実際にサービスを提供するにあたっても『連絡』『支払い確認』などのやり取りはもちろん、スタッフの人数や、印刷資料などの準備など、色々な負荷要素がのしかかってきます。

しかし、最初はスタッフも慣れていないはずですから、きちんとした基盤が作られていないままに無理をして沢山の人を集めてしまうと、せっかく集まった沢山の人達に対して、中途半端な質のサービスと誤解されてしまう可能性も否めません。

そのような誤解を持ったお客さんが果たしてリピーターになってくれるでしょうか?
おそらくリピーターになる人は、ほんの少人数の知り合いなどでしょう。

そして、場合によっては、サービスに不満を持った人達の間で、あの英会話学校はあまり良くないという噂が広がってしまうケースも考えられます。


結果として、せっかく集まったお客さんからの信頼を失ってしまうのです。

一度失った信頼を取り返すことは難しいですよね。
特に、初期の段階での評価は重要です。卵から生まれた鳥の雛と同じで、潜在意識の中に刷り込まれるのです。

人は潜在意識の中にある評価を基準に考えますので、もし将来、その英会話学校が魅力的な企画を打ち出したとしても、それがよほどの企画でないかぎり『どうせ○○だろう』と捉えてしまうのです。


さらに、注目しなければならないのは、そのような評価を得た人達が、定価の100ドルではなくて、キャンペーン価格の10ドルで集まっているという点です。

お客さんの評価というのは価格と無関係ですので、経営側の立場からは、『でも10ドルだし』という思惑があったとしても、お客さんからすると『低いサービス』という認識になるのです。

興味深いのは、同じサービスを『定価で購入した人』と『キャンペーン価格で購入した人』がいた場合、クレームにつながりやすいのは『キャンペーン価格で購入した人』という点です。

そして、10ドルのサービスとしての評価が低いわけですから、経営側としては価格を定価の100ドルに戻すのが難しくなってしまい、結果として10ドルが定着してしまうのです。


経営側からすると、踏んだり蹴ったりですよね。


まぁ、もちろんこれは極端な例であり、誌面の関係上、かなり簡略化したケースを上げていますが、これは実際に色々なビジネスの現場で起こっていることであり、おそらくこのコラムを読んで頂いている経営者の方には、周りで思い当たる事がある方も少なくはないと思います。


そこで、我々ブランディングをメインとしたマーケッターは、今あるサービスの価格と価値を少しでも上げるための努力をするのです。


これは日常生活でも同じです。

あなたは、自らの価格を下げてはいませんか?自分を安売りしていませんか?

あなたには、大きな可能性と素晴らしい未来があります。

あなたの魅力をより多くの人に知ってもらうために、まずは自分の価値を見出すことから始めてみてはいかがでしょうか。





さて、このコーナーでは、みなさんの夢の話を大募集中です!
是非、みなさんの夢を聞かせてください。

また、私への質問やコラムで取り上げて欲しい話題についても大募集しています。
いつでも気軽にご連絡下さい。

目の前の客に売らない

もし、あなたが、自分の商品を売りたい場合、どのように売りますか?

多くの人は、まずは人に勧めたり宣伝をしたりするでしょう。


しかし、大事な事は、あなたが商品を勧めている人がその商品を望んでいるのか?という事です。


◆目の前の客に売ってはいけません◆


もし、あなたが1000人の人に自分の商品を売り込んでいるとして、
その1000人の中に、その商品を本当に求めている人が10人しかいなかったとしたらどうでしょう?

1000人に売り込むことにパワーを使うよりも、最初から、その10人にターゲットを絞って、商品を気に入ってもらう方法を考える方が簡単そうだと思いませんか?



興味を持っているか持っていないか分からない人達に、商品を勧める努力をしても報われません。

なぜなら、興味を持っていない人にとっては押し売りになってしまう可能性があるからです。



もし、自分が押し売りにあったらどうでしょう?

もう二度とその商品を手に取りたくなくなりませんか?


更に、もし相手が興味を持っている人だったとしてでも、過度な売り込みをしてしまうと関心をなくしてしまうどころか、拒否反応を起してしまうこともありえます。



けっして売り込まずに、自分の商品に興味を持ってくれた人達が、
おのずと商品を買いに集まってくる仕掛けを作るべきなのです。


◆売り込む事を考えるのではなく、欲しい人に売る事を考える◆


まずは、広く売るのではなくて、ターゲット層を絞ることから始めてみましょう。

新たにターゲット層を開拓するのではなく、あなたの商品がすでに持っている魅力を最大限に生かして、どのターゲット層の人達が、この商品を望んでいるのかという視点で考えましょう。


そして、その限られたターゲットの人達に対して、よりディープな価値を提供する方法を考えるのです。



顧客の層をしぼる事によって、今ある顧客リストの大半の顧客を失ってしまうかもしれません。

しかし、特定の層に特化して魅力的なマーケティング活動を展開すれば、より根強い顧客層を手に入れる事が出来るのです。


セールスとマーケティングは似て非なるものです。

興味を持っているか持っていないか分からない人達に、商品を勧めるのがセールスだとすれば、自分の商品に興味を持ってくれた人達が、おのずと商品を買いに集まってくる仕掛けを作るのがマーケティングです。

そして、それらの戦略を長期ビジョンで仕掛けて、高額でも買いたいという根強いファンを増やすのブランディングです。


◆ターゲットを絞る◆


ターゲットが定まったら、そのターゲットが望んでいる商品の魅力を最大限に引き出して、どのように強化するか、どのように魅せるかを考えます。

場合によっては、いくつかの機能を削る事もあるかもしれません。

しかし、万人ウケする商品よりも、マニアにウケる商品の方が、ブランド価値は高まるのです。


◆万人ウケするよりも、マニアウケする商品を作る◆